たまにはサイト本来の趣旨に合った話もしませんと、いったい何のサイトなのか分からなくなってきてしまいますので、たまには音楽の話でもしたいと思います。
音楽といっても、音楽理論や演奏技術の話ではなくて、ネット上に投稿する事に関しての考え方のお話です。要は結局自分語りです。ごめんなさい。書きたくなってしまったので。
とかく「ブログでやれ」と言われるような内容かと思いますが、ここは私のブログですからそういう意味では問題ないかと。
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YouTubeにはじめて動画を投稿してから、4月でもう丸4年になります。その間いろいろ考え方の変化がありました。
最初ギター演奏動画をやっていた頃は、とくに何も考えずにやってました。「考え方」の話をすると言ったそばから何だと思われるかもしれませんが、本当に何も考えてなかったのです。
ガジェット好きな私は当時ZOOMのQ3HDというカメラを購入しました。しかしスチルカメラの経験しかなかった私は動画専用のこの機種でいったい何を撮ればいいか思いつかず持て余していました。
そんな時、このカメラは映像を撮りながら音をライン録りできるという特徴に気がつきまして、「これはギター演奏+伴奏を撮影するのにうってつけではないか」と思い立ってやってみたのです。
それを軽い気持ちでYouTubeにアップしてみただけ、というのが当時のすべてです。
適当に撮った映像の前後をカットしただけという今見ると本当に恥ずかしい代物なのですが、自分の投稿活動の原点という事で、消さずに残してあります。
この当時勘違いしてしまったのは、適当にやってた割にはそれなりの数の方に見ていただけたので「ネット上に投稿するとこんなに見てもらえるのか」と思ってしまった事です。
今、思えば単に原曲の知名度のおかげで誤クリックされただけかもしれないのに、です。
調子に乗った私は、オリジナル曲の投稿をはじめました。お試しでupしてみた曲が「イエスマン」と「言葉のかわりに」でした。
今となってはさすがにアレすぎる出来だったので、当時のバージョンはすでに消してしまったのですが、この2曲は昔アマチュアバンドをやっていた頃に曲だけ作って詞をつけずに、そのままあたためていたもので、曲自体は今でも結構気に入ってます。
そんなアレすぎる出来の動画にも、当時コメントをつけて下さった方がいらっしゃいました。
私自身、名前の出ないニコ動にはよくコメントするのですが、名前の出るYouTubeにはめったにコメントいたしません。見も知らぬ他人の動画にコメントするというのは、じつに勇気の要ることだと今でも思っております。
そんなYouTubeでコメントをいただいて勇気をもらった私は、ボカロオリジナル曲の本場・ニコ動への投稿もはじめたのでした。
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ところが、そこで思うように見ていただけないという壁にぶつかる事になります。
クオリティ自体が著しく低かったのもありますが、無名などこかの馬の骨の作ったオリジナル曲に何の需要もありませんから、当然のことです。
実は今回サイトを立ち上げて久しぶりに「無名な一般人になど誰も興味が無い」ことをあらためて実感している次第でして、それがこの文章を書こうと思った動機でもあります。
話を元に戻しますと、その時の私はそれなりに見ていただけるギター演奏動画をやっていた頃の感覚がまだ抜け切っておらず、オリジナル曲があまり視聴していただけない実状に「宣伝したほうがいいのかも」なんて思ってしまったのです。
私はとりあえずツイッターをはじめてみました。初期の頃は結構宣伝していたと思います。しかし常に「宣伝」という他人に押し付けがましい行為をしているという後ろめたさがつきまとっていました。
そんな考え方が少し変わったのは「じゃじゃ馬に花束を」を投稿した時でした。この曲は再生回数的にはまったくふるわなかったのですが、とても心のこもったコメントをいただきました。
これを非常に嬉しく思い「何千再生される事なんかよりも私はこの方ひとりのために曲を書いたんだ」と思えるようになりました。その後だんだんと宣伝をする事は少なくなっていきました。
イラストの方との共作の場合などは、相手の方の手前多少宣伝したものの「興味の無い他人が見て不快に感じる宣伝はしない」というのが基本スタンスになっていきました。
そしてその考え方がさらに固まったのが「毒ヲ以テ毒ヲ制ス」を投稿した時でした。
たぶん中学生くらいの女の子だったと思うんですが、いたくこの曲を気に入ってくれてツイッターで宣伝してくれたり、イメージイラストを描いてプレゼントしてくれたり(この時のイラストは実は今でもツイッターの背景に使ってます)、何より嬉しかったのが「ウォークマンに入れて何回もきいてます」と言ってくれた事が私に衝撃を与えました。
ギター演奏動画をやっていた一時期カン違いしていたものの、思い起こせばアマチュアバンドをやっていた頃に自分の音楽に需要なんか無い事は自覚していました。
それが顔も知らない他人のウォークマンに入っていて何回も聞いてもらってるなんて胸熱です。
中学生くらいの子なんて、ただ流行っている曲に飛びついているだけだと思っていましたから、無名の私なんかの曲をこれほどまでに賞賛してくれた事に感動しました。
その方がいつかこの文章にたどり着く奇跡があるとするならばお伝えしておきたいです。「あれは、もう貴方の曲です」と。それくらい嬉しかったです。
ツイッター上などで作り手どうしがお互いに褒め合ってる光景をたまに見かけますが、お世辞と本音の違いは第三者からみても良く分かります。100のお世辞をもらうよりたった一つの心のこもった言葉のほうが胸を打つんですよ。少なくとも私はお世辞なんかいらないです。
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こんな考え方のまま現在に至っているわけですが、まわりを見てみますと、まだまだ盛んに宣伝しておられる方も多いですね。
ボカロ界隈もずいぶんと下火になりましたから、初動で再生されない曲はそのまま誰の目にも止まらず100再生とかで終わって埋もれていきます。
初動を稼ぐために、仲の良い同士でお互い義理マイリスや義理リツイートなどをし合ったり、nsenにリクし合ったり、お世辞を言い合ったりしているんだと思いますが、私の考え方は前述の通り「中身カラッポの再生数なんかより心のこもった1再生」になりましたから、こういう人達とは距離を置くようになっていきました。
それに一週間程度の告知ならまだしも同じ曲のbot宣伝を延々何ヶ月も毎日TLに流されるのは単純に鬱陶しいですし、こんな迷惑行為を平気でできる神経を私はちょっと理解できません。どれだけ自分の事が好きなんでしょうか。
あくまで私個人の受け取り方ですが、ツイッターで数千人もの相互フォローを集めて、自分も見返りを受けるために好きでもない曲を義理で賞賛してリツイートばかりしているような人は、せっかく応援してくれる人のことを「ただの数字」としか見ていないと思います。
私はこんな人を応援したいとは思いませんし、自分が応援したくないような人間になるつもりもありません。
同じ作り手同士で仲良くしていると、こういう人との馴れ合いに巻き込まれてしまいそうですから、私はツイッターでも極力リプライなどは送らず、壁打ちに徹するようになりました。
まあ数字を気にして馴れ合いやってる人にとっては「低い数字」である事が恥ずかしいんでしょう。見かけの数字が低い人の事を数字だけを見てバカにしているのも見た事ありますし。
音楽の嗜好なんて人それぞれですから私にはバカにしている側の曲のほうが好みではなかったですけども。しかもこういう方が同人CDを売っていたりしますから「このレベルで金取るの?」と驚きます。
アマチュアバンドの経験があり、その時期に「義理でなく本当に自分の音楽が好きで来てくれている人がどれだけいるんだ?」という事を真剣に考えてきた人は自分を客観視できていると思いますから、お金をいただくという事に関してハードルが高いと思うのですが、ネットでお世辞の言い合いを続けてきただけの方はあまり深く考えないのかな?と思います。
無名アマチュアバンドなんて営業活動(他バンドのライブに行ったりすること)しないと誰も見に来てくれませんし、そうなると金銭的損失もばかになりません。それに、やはりライブとなるとお客さんの反応がダイレクトに分かりますからいろいろ考えます。
ネット投稿のみで活動することの良いところは、たとえ誰も聞いてくれなくても何の損失もないので気楽に、気ままにやれることですから、私のパーソナリティ的にそこに落ち着くのは必然だったのでしょう。
少々愚痴っぽくなってきてしまいましたので、そろそろ締めたいと思います。愚痴といっても最近、投稿活動はあまりしていないのでどうでもいい事ですしね。それに私は結局こうやって自サイトを作ってそこに潜む選択をしたわけですし。ひっそりと応援して下さっている方の存在もなんとなく分かっています。
最後に、おそらく私と似たような考え方というか、スタンスで活動していると思われる方も少なからず散見されます。そういう方は直接馴れ合いこそしませんが陰ながら応援したくなります。大好きな趣味で余計な「しがらみ」なんか作らないで創作活動そのものを楽しんでいきたいですね。
今回は、世の中のほぼ100%の方にまったく需要の無い記事で申し訳ありませんでした。
コメントをお書きください
くどう (金曜日, 12 5月 2017 09:30)
共感します。私も自分の曲をネットに公開しておりますが、コメントなど全くつかないどころ再生すらほとんどされません。
聞いた人に気に入ってもらえればうれしいですが、聞きたくもない人に宣伝するのは虚しさを感じてしまうので、基本はアップロードした後は放置ですね。
ただ、自分が本当に聞かせたい人に聞かせたのに気に入ってもらえない時は悲しいですけどね(具体的な知り合いのために書いた曲とか)。
それにしても、「ウォークマンに聞いて何回も聞いてます」なんて言われるというのは羨ましい限りです。
いつかそういう曲を世に届けることが出来たらなーと思います。
SENTON (日曜日, 14 5月 2017 23:35)
>くどう様
はじめまして。
どのようにしてこちらにたどり着かれたのか存じませぬが、このような愚痴を綴っただけの文章に共感していただき恐縮です。
正直、マイノリティだと思っていますので…。
下手に数字が伸びたりすると次の作品がプレッシャーで投稿できなくなるみたいな話も聞いたことありますし、趣味は気楽にマイペースでやってる方が楽しいですよね。
くどう (月曜日, 15 5月 2017 07:34)
SENTON様 ご返信ありがとうございました。
>どのようにしてこちらにたどり着かれたのか
→要するに、管理人様と同じようなことを考えていたからではないかと思います。
>数字が伸びたりすると次の作品がプレッシャーで投稿できなくなる
→ 未だに縁が無い私にとっては贅沢な悩みですw 一度はそんなことで悩んでみたい気もしますが、なったらなったで苦しいのかもしれませんね。
私はどちらかと言うと、自分の思想が表に出てしまう作品を世に出すときに緊張します(殆ど反響ゼロですけど)。
>趣味は気楽にマイペースでやってる方が楽しい
→ マイペースの維持は難しいですね。やはり他人に承認してもらいたいという欲求はあるし、一方で低レベルな自分の作品を貶されるのは怖いという気持ちもあり。
現状は、作品を発表できる場があることはそれだけでも素晴らしいことだと、最低ラインで自分に言い聞かせてほそぼそ続けている感じがします。
長文失礼しました。私のこの書き込みも言ってみれば馴れ合いの一種なのかもしれませんが、共感できる人が世にいることは大きな財産なのではないかと思います。
SENTON (金曜日, 19 5月 2017 19:59)
>くどう様
>自分の思想が表に出てしまう作品を世に出すときに緊張します
これはすごく共感します。
世の中いろんな思想の方が居ますし、Twitterの炎上案件などを見ますとスルーすればいいのに噛み付いてくる人も居ますからね…。
本文中には書いてないですが、そういった人の目にとまりたくないというのも私があまり目立ちたくない理由のひとつだったりします。
なのでこのサイトを作って、ほぼ検索流入のみでひっそりやってます。
何か発信すると強制的にフォロワーのTLに流れてしまうSNSと違って、能動的に見たい人しかいらっしゃいませんので居心地がいい気がしてます。