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Windows XP ネットブックの有効活用

TOSHIBA NB100 PANB100NL
東芝 NB100 PANB100NL ネットブック。

2010年のiPadの登場、そしてそれを発端としたタブレット端末の流行の少し前、小型の筐体に低スペックのハード、当時軽量OS扱いだったWindows XPを搭載し、ネット閲覧程度の軽い作業を主な用途とした「ネットブック」なるPCのちょっとしたブームがありました。

 

ほとんど同時期に、UMPC(ウルトラモバイル ピーシー)も流行りましたが個人的に、この「ネットブック」はUMPCとは似て非なるものだと思っています。

 

いちばん大きな違いと言えるのはスペックの差だと思います。ざっくり言ってしまえばUMPCが比較的高スペック路線であったのに対し「ネットブック」はコスト重視の低スペック路線でした。

 

私も当時流行に乗って東芝のNB100というネットブックを購入し今も所有しています。

 

2014年4月8日にWindows XPの延長サポートが終了してからというもの、この機種本来の目的であったネット閲覧に使うわけにもいかなくなり、しばらくホコリをかぶっていました。

 

何処も故障などしておらず不具合もなく正常稼動するのに…です。

 

今回はこのネットブックがもったいないのでなんとかオフラインで有効活用できる用途はないかと思案していろいろやってみた日記です。

 

音楽制作にチャレンジ

 

ネットを使わないオフライン作業といえば文章を書いたりといった事務作業がまず思い浮かびますが、あいにく私にはそのような趣味はありません…。私の趣味といえばバイクか音楽制作かカメラです。

 

PCなどほぼ関係ないバイクという趣味はとりあえず脇に置いておくとしまして、まず音楽制作ですが、これをネットブックのスペックでこなすのはなかなか厳しいと思います。

 

ギター関係の機材に付属していたSONAR LEとCubase LEのライセンスが余っていましたので入れてみたのですが、さすがにマルチトラック再生は音が切れてしまって苦しかったです。CPUの性能、メモリ容量、HDD回転数、どこをみても厳しいですね。

 

唯一イケそうかなと思ったのはSinger Song Writer 6.0 VSをRolandのVSCを音源にしてMIDI入力専用で使う用途です。以前このソフトをWindows 10で動かしてみたところ動作が怪しかった事もあり、今後このソフトはネットブックで活用していこうかと思いました。

 

問題点はやはり画面が小さすぎる事でしょう…。ディスプレイの大きさは8.9型ですが解像度は1,024×600ドットですから、いまどきフルHD液晶を搭載するスマホにも劣るわけでして、とにかく狭い!まあがんばれば使えない事はないというレベルですね…。

 

もう一つ音楽といえば以前の記事で少しだけご紹介した事もあるJamVOX、こちらの付属ミニアンプをUSB接続して使う用途にはピッタリですね。これは専用機にしてもいいレベルかもしれません。

 

出先でデジタル一眼レフのRAW現像に使う

 

次にカメラという趣味での活用を考えます。今回の記事ではこちらが本命です。

 

泊まりで撮影旅行に行ったりしたとき出先でRAW現像する用途に使えないか考えてみました。

 

このNB100という機種にはブリッジメディアスロットが付いていまして、SDカードやメモリースティックなどがそのまま使えますので、カメラとの接続ケーブルは持ち歩く必要がなくカメラからSDカードを抜いて、それをネットブックに挿せば画像ファイルをHDDにコピーできます。

 

コスト重視のネットブックですがメディアスロットやウェブカメラ、Bluetoothなど一通り必要そうな機能は標準装備しているんですよね。

 

私はニコンのデジタル一眼レフと、オリンパスのミラーレス一眼を使っています。それぞれ、メーカーさん提供のRAW現像ソフトがありますので、順にご紹介していきたいと思います。

 

OLYMPUS Viewer 3 1024x600表示
やはりこの用途でも画面の狭さはネックとなります…。

Nikon

 

□ Capture NX-D

 

本格的なRAW現像ソフトがなんと無料で提供されています。しかし残念ながら、対応OSがWindows 7からとなっておりまして、XPにはエラーが出てインストールする事ができません。

 

先代のCapture NX 2ならXP対応だったのですが、こちらはNX-Dと違い有料ソフトです。現行バージョンが無料なのに過去バージョンを今さらお金を出して買うのも何だかなぁと思いまして諦めました(メインのデスクトップPCにはNX-Dを入れてありますけど)。

 

□ ViewNX-i

 

上記Capture NXがRAW現像ソフトなのに対しこちらはビューアソフトなのですが、簡易RAW現像や簡易エディット機能も付いています。残念ながらこちらもWindows 7以降が対応OSですのでエラーが出てインストールできず。

 

□ ViewNX 2

 

上のViewNX-iと同じ簡易RAW現像機能付きビューアソフト。NX-iの先代バージョンといえるでしょうか。こちらも対応OSはVista以上という事でがっかり…と思いきや、それは最新バージョンのみの話で、Ver.2.9.0まではXPにも対応してました。

 

しかも旧バージョンをDLできるページもしっかり用意してくれてました。ニコンさんありがとうございます。

 

 

これでXPネットブックでもニコンのRAW現像できる環境ができました。古いソフトですと新しい機種に対応していないかと思いますが、私のはD90D50という古い機種ですので旧バージョンでも問題ありません。

 

OLYMPUS

 

□ OLYMPUS Viewer 3

 

基本的にはニコンのViewNXと同じようなビューアソフトなのですが、こちらもRAW現像機能を搭載しています。オリンパスにはニコンのCapture NXに相当するソフトが無いため、このソフトの編集機能はViewNXに比べて高機能となっており、RAWですとアートフィルターを後がけして遊んだりできます。

 

しかし残念ながら最新バージョンの対応OSはWindows Vista以降となっておりXPにはエラーが出てインストールする事ができません。

 

ver.1.5まではXPに対応していたらしいのですが、あいにくニコンさんのように旧バージョンをDLできるページは用意されていません。

 

私の所有するミラーレス一眼PEN E-P3付属のCD-ROMに入っているのはOLYMPUS Viewer "2" でして、これを入れることはできるのですが、2から3へのバージョンアップはできない為、やはり3を入れる事ができません。

 

諦めてOLYMPUS Viewer 2で我慢するかと思ったのですがふと、そういえばオリンパスのXZ-10というコンデジも持っていた事を思い出しました。

 

このXZ-10の付属CD-ROMを調べましたところビンゴ!OLYMPUS Viewer 3のver.1.0が入ってました。早速CD-ROMからネットブックにインストールし、オンラインアップデートをかけてみると、最新のver.2.0.1は非対応OSという事で一旦エラーメッセージが出るのですが、その後XPにおける最新版であるver.1.5へと無事アップデートされました。

 

オフラインでも「作業」なら楽しめる

 

これでニコン・オリンパス共々ネットブックでRAW現像できるようになりました。

 

基本的にはオフラインで使用するのですが今回、オンラインアップデートもおこなった関係上ちょっとだけLAN経由でネットに繋いでます。

 

ついでにMicrosoft Security Essentialsの定義ファイルの更新ができるか試してみたのですが、普通にできちゃいました…。たしか2015年7月14日に終了したはずじゃ…?まぁうちのネットブックのMSEは期日以降にOS判定して機能停止するという時限爆弾の無いver.4.4.304.0で止めてありますけどね…。

 

ともあれ、これでこのネットブックは外出時のオフライン作業用マシンとしてもう少し延命させる事ができました。

 

MIDI制作も、JamVOXの制御・駆動も、写真のRAW現像も、スマホではできないもしくは厳しい用途ですから、ネットブックならではと言えると思います。反面いまどきほとんどの用途はスマホで事足りるとあらためて認識を深める事となりましたが…。

 

実は私はもう一台、Windows 10の入ったノートPCも持っているのですが、これが15.6インチと持ち運ぶには少々辛いサイズですので、出先に持ち出す事を考えますとネットブックの方がいいのです。

 

私はスタバでmacを広げるような「意識高い系」でもありませんし、どちらかといえば「意識低い系」ですからそういう意味でもネットブックが合っているのかもしれません。