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私がヴィクトリーナ姫路を嫌う理由

2018/08/18

 

2018年3月24日、一般社団法人日本バレーボールリーグ機構、通称Vリーグ機構(以下V機構)より新生「V.LEAGUE」2018-2019シーズンに参戦するチームが発表されました。

 

 

リンク先の表の中、V.LEAGUE Division2 (V2)女子のところに「ヴィクトリーナ姫路」という新規参入チームが加わっています。

 

この件は日刊スポーツなどで記事にもなっています。

 

日本初のプロチーム・ヴィクトリーナ姫路がV2参入 - バレー : 日刊スポーツ

 日本バレーボール機構(Vリーグ機構)は24日、今秋に開幕する18~19年シーズンにおけるVリーグのチーム編成を発表した。 女子のV2(2部)には日本初のプロ… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。

私はこの「ヴィクトリーナ姫路」というチームが嫌いである旨、ツイッター等で何度も言っています。

 

別に今回、S3ライセンスの取得でちゃっかりV2参入してる事に怒ってるわけじゃありません。もっと根深い理由があります。

 

なぜこのチームの事が嫌いなのか、都度説明するのも面倒なので、ここにその理由をまとめておこうと思いブログ記事としました。

 

批判的な内容ですのでご不快に思われる方もおられるかと思い、フィードに載らないように過去の日付で書いております事を先ずお断りしておきます。

 

自分用の記録も兼ねている為、かなり長いので目次を付けておきます。

 

仙台ベルフィーユ廃部にまつわる噂話

 

2017年6月23日、バレーボール女子V・チャレンジリーグI(以下CLI)、仙台ベルフィーユの廃部が確実との記事が出ました。

 

仙台ベルフィーユ廃部確実…Vリーグから退会勧告 - バレー : 日刊スポーツ

バレーボール女子V・チャレンジリーグ1、仙台ベルフィーユ(宮城)の廃部が23日、確実になった。21日に行われた日本バレーボール(Vリーグ)機構の臨時理事会で、… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。

 

私が「ヴィクトリーナ姫路」というチームを嫌いになったのはここに端を発します。

 

全然別のチームの廃部に何の関係が?と思われるかもしれませんが、本ブログ記事を読み進めていくと関係がお分かりになるかと思います。

 

この記事が出た当時、この廃部に至った背景などをもう少し知りたいと思い、ツイッター検索で情報収集しましたところ、どこから出てきたのか分からない「黒い噂」が数名のツイッタラーの間で流れていました。その噂の内容を端的に言うと、

 

「ヴィクトリーナ姫路が飛び級でVリーグに参戦する為、仙台ベルフィーユのVリーグ出場資格略奪を目的にV機構と結託して仙台ベルフィーユを潰して乗っ取りを企てている」

 

というものでした。

 

これは現在に至ってもソース不明の情報で、当事者が「デマだ」と言ってしまえばデマですし、かといって全部嘘かというとこれを裏付ける状況証拠がその後沢山出てきていますので一概にデマとも言い切れないという、なんとも微妙な情報です。

 

姫路とV機構が結託しているとする根拠はおそらく当時の「スーパーリーグ構想(現V.LEAGUE・後に軌道修正されたが当初はプロリーグ構想だった)」推進で利害が一致していた事なのでしょう。

 

なお、この時点の報道や公式発表等ではまだ「ヴィクトリーナ姫路」の名前は一切出てきておりませんでしたので、私もその当時は「単に運営会社の杜撰な経営で潰れただけだろ」「そんな噂があるんだ。ふーん。みんな陰謀論大好きだね」くらいにしか思っていませんでした。

 

Vリーグ準加盟制度

 

前のセクションで「飛び級でVリーグに参戦する」という表現が出てきましたが、ご存知ない方の為に「Vリーグ準加盟制度」に触れておきたいと思います。

 

wikipediaより引用 >

概要

Vリーグ機構への加入を目指すチームに門戸を広げることを目的として、Jリーグ準加盟制度を参考にVリーグ機構が定める条件を満たすあるいはそれに準ずるチームに対して情報の共有及び指導・助言を促し、チャレンジリーグ昇格の権利を与える制度である。

2007年度までは地域リーグ(6人制バレーボール選抜男女リーグ)で上位に入ったチームがチャレンジリーグ(旧V1リーグ)の下位と入れ替え戦を行っていたが、準加盟制度導入後は準加盟チームが地域リーグ上位による全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会で優勝あるいはそれに準ずる成績を収めた場合にチャレンジリーグ昇格となる。

 

条件
準加盟規程第2条「準加盟の条件」より

  • 将来Vリーグ機構の社員として入社を目指す意思を持つチームであること。
  • 前号のチームの意思を、当該チームの所属する都道府県バレーボール協会が承認、支援していること。
  • 継続的に存続し活動し存続しているチームであること。
  • 現に都道府県バレーボール協会および日本バレーボール協会に加盟し、天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権(予選会を含む)あるいは、加盟する全国連盟が主催する全国規模の大会に出場するなどの活動の実績があること。

 

このように、Vリーグに参戦する為にはその前に全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会で優勝あるいはそれに準ずる成績を収めなければなりませんし、活動実績や地域の支援などの条件をクリアしてVリーグ準加盟の承認を得ている必要があります。

 

このプロセスをすっ飛ばしてVリーグに参入しようとした事、また通常は3部にあたるチャレンジリーグII(以下CLII)からのスタートとなる所をいきなり2部にあたるCLIから参入しようとした事を「飛び級」と表現しています。

 

ちなみに「ヴィクトリーナ姫路」は2016年3月に日本初の女子プロチームとして設立、当時皇后杯兵庫県予選出場(初戦敗退)くらいしか活動実績が無く、2016年12月に全国大会出場実績が無い事からVリーグ機構準加盟登録を見送られています。

 

噂の一部が真実に

 

仙台ベルフィーユの廃部報道から時は流れ2017年7月31日、仙台ベルフィーユが姫路に譲渡され、姫路がCLIに出場することになったという記事が出ました。

 

神戸新聞NEXT|スポーツ|バレー女子仙台、姫路に譲渡 チャレンジL出場へ

 バレーボール女子で、兵庫県姫路市を本拠地とするヴィクトリーナ姫路が、仙台市拠点の仙台ベルフィーユを譲り受けることが31日、分かった。仙台はプレミアリーグの2部

翌日付でヴィクトリーナ姫路HPでも発表されます。

 

それとほぼ時を同じくして(8月2日)Vリーグ公式サイトで「移籍公示リスト」が、仙台ベルフィーユ所属選手全員の前所属チームを「ヴィクトリーナ姫路」と書き換えて(現在は仙台ベルフィーユに訂正されています)発表されました。

 

これに対し、当時仙台ベルフィーユに所属していた選手の多くが「事実と異なる」旨の発言をTwitter、FacebookなどのSNSで発信し、それを一部メディアが報道した事で、ちょっとした炎上騒ぎになりました。

 

現在は当時の投稿の多くが既に削除済となっておりますが、残っているものを貼っておきます。

 

▼ 削除された投稿 1

▼ 削除された投稿 2

 

なんだかキナ臭い雰囲気たっぷりで、私もこの時点で前出の「黒い噂」が、少なくとも一部は真実だったとしか思えなくなります(もちろん個人の感想です)。

 

炎上 私が義憤に駆られた部分

 

この炎上騒ぎでは私のような単なるバレーファンだけでなく男女の現役選手およびOB・OG、バレーファンでない一般の方に至るまでさまざまな意見が出ました。

 

中にはV機構および姫路のTwitterアカウントに対し連日「クソリプ」を飛ばす熱狂的な方もいらっしゃいましたし、ヴィクトリーナ姫路の公式Twitterアカウントはクソリプ対策の為かこの時を境にマスコットキャラ「ヴィック」に変わってしまいました(※追記あり)。

 

一口に炎上と申しましても、それぞれの立場や見方によってこの出来事の何処に憤りを覚えるかは全く異なっておりまして、一緒くたにして語る事はできません。

 

ちょっと思い出すだけでも「明らかに乗っ取りだ・選手がかわいそう・経緯が不透明すぎる・いきなりCLI参戦はずるい・廃部したチームの受け皿がある事は素晴らしい・仙台の自業自得だ・仙台は姫路と機構の陰謀で潰された・とにかくV機構が悪い」など様々な意見が飛び交っていました。

 

ですが、ここは表題にあります通り「私がヴィクトリーナ姫路を嫌う理由」についてのブログ記事ですので、色々な方の様々な意見は割愛させていただき、私がこの出来事で義憤に駆られた部分のみについてお話したいと思います。

 

では私がこの件でどこに憤りを覚えたか、ですが

 

  • 準加盟に必要なプロセスをすっ飛ばして飛び級・裏口参戦のような形でいきなりCLIに参入しようと企てた事 
  • 上記は「仙台ベルフィーユを継承する事」によって正当化されるはずだが実際に移籍したのはたった三人(※あり)であり、仙台の選手の多くは仙台ベルフィーユ自体の継続を望み、全体移籍には否定的な考えを表明していた事

 

主に以上の2点となります。

 

私はCLIだけでなくCLIIの試合もそれなりに見てます。そこで頑張る選手や、そのステージに至るまでのチームの姿などを見てきていましたので、いきなり金の力でCLI出場権を買うような行為はどうしても許せませんでした。

 

例えばブレス浜松は2012年に休部したBefcoビービースターズ(チャレンジリーグに所属)の残党が立ち上げたチームですが、2013年に全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会において初出場初優勝、2014年5月にVリーグ準加盟を承認され2015年にCLII参戦と、きちんとしたプロセスを踏んでいます。

 

一方ヴィクトリーナ姫路は、Vリーグ機構規約にはチームの譲渡に関する条文が「一定の基準を満たし、理事会が承認した場合」としか謳ってなく細かい条件の記載が一切ない事を逆手にとって悪用したように私は感じています。

 

また、ヴィクトリーナ姫路はCLI参戦のお知らせ~譲渡無効後の記者会見までの間ずっと無言を貫き、一切の釈明を行っておりません。後ろめたい事が一切無いのなら姫路の所属選手やスポンサーのイメージ低下を避ける為すみやかに釈明すべきでしたし、無言を貫いた事がどのような印象を与えるかを考慮すればこれは悪手でしかありません。

 

そういった悪手を選択せざるを得なかった事をどう捉えるか、ここで極論を述べる事は差し控えますが、少なくとも関係者・一般のファンに対して不誠実である事だけは確かです。

 

「じゃあアランマーレはどうなんだよ」というご意見もあるかと思いますが、あの時は今回の仙台のような被害者もいませんでしたので義憤に駆られるような事はありませんでした。

 

今回の件も「四国Eighty8Queen → 仙台ベルフィーユ」の時みたいなチーム名変更とか、せめて久光がダイエーを吸収した時のように移行期間を設けるなどのケースであれば義憤に駆られるような事も無かったでしょう。

 

ちなみに誤解の無いようにここで申し上げておきますが、私は仙台の選手たちには同情しますが、仙台ベルフィーユの全てを肯定しているわけではありません。


今回の一連の経緯の中に陰謀の匂いがするのは確かですのでそこは同情しますし疑義を呈しますが、そもそもの問題であった巨額の負債そのものについては他の誰のせいでもありませんし、債権者の視点では背信者以外の何者でもありませんから。

 


 

※注) 三人というのは姫路にとってまだ好意的な表現であり、高橋咲妃恵選手は廃部騒動前から公示リストで移籍希望(おそらく海外?)になっていましたし、逆瀬川由衣選手に至っては仙台では既に選手ではなくマネージャーでしたので、純粋に仙台の廃部にともなって姫路に移籍したと言えるのは濱邊優愛選手「一人だけ」です。その濱邊優愛選手も2018年4月、入団後一年も経たずに退団しています。

 

一転してチーム譲渡が無効に

 

その後、2017年8月10日に仙台から姫路へのチーム譲渡の無効が発表されました。

 

 

この決定が出た理由がネット上を主とした炎上騒ぎであったかどうかは定かではありませんが、少なくとも私にはV機構の想定以上に否定意見だらけで炎上したから、V機構は姫路を切り捨てて保身に走ったように見えました。

 

これを受けて行われた姫路側の記者会見について詳しく書かれているのが以下の日刊スポーツの記事です。

 

姫路、仙台からチーム譲渡が承認後無効の経緯を語る - バレー : 日刊スポーツ

兵庫・姫路市を拠点として16年に設立されたバレーボール女子のプロチーム「ヴィクトリーナ姫路」が17日、同市内で記者会見を開いた。前女子日本代表監督の真鍋政義ゼ… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。

 

この姫路の記者会見は後に、産経ニュースの記事にもなっています。

 

【スポーツ異聞】杜撰な運営が露呈したVリーグ機構 仙台の譲渡無効問題で泣くのは選手 (1/7ページ) - 産経ニュース

バレーボールのVリーグを運営するVリーグ機構に、関係者の間で不信感が募っている。女子で2部相当のチャレンジリーグIに所属していた仙台ベルフィーユ(仙台市)が、一…

 

これらの記事に書かれている時系列を補足も加えつつ抜粋、さらに私の収集した事実(リンク付)も付け加えて羅列しますと以下のようになります。

 


  • 2016年12月21日 姫路、全国大会出場実績が無い事からVリーグ機構準加盟登録を見送られる
    しかし不思議な事に12月頭には姫路のファンクラブ会員募集のパンフ(削除されたようですのでご覧になりたい方はこちらからどうぞ)が出来上がっていてチケット(Vリーグ参戦決定してないのに何のチケット?)先行購入の特典が既に付いていた
  • 2016年12月 仙台の運営会社トゥエルヴの米田社長が独断で「財政的に厳しい。一緒にチームを運営できないか」と姫路に打診
  • 協議を重ねて一度は合意
  • 2017年3月 米田氏が1000万超の赤字で運営会社の存続が困難である事をチームスタッフに報告
    仙台運営陣は選手へ状況説明する時期を模索していた
  • 2017年3月下旬 仙台の選手らは突如訪れた姫路の関係者から「チームがなくなるから、バレーを辞めるか姫路に来るか判断してほしい」とチーム存続の危機を知らされた
  • 2017年4月 チーム存続を望むチーム保有団体のNPO法人「仙台ベルフィーユ」が新体制となり、同団体の理事長も兼ねていた米田氏が解任される
  • 2017年4月20日 「仙台でスポンサーを集めて、宮城県での活動を継続していく」と姫路に伝えられ以前の合意は白紙
  • 2017年5月24日 V機構理事会で仙台のリーグ参加資格を審査される
  • 2017年6月13日 トゥエルヴがV機構からリーグ退会に当たる退社勧告を受け事業を停止
  • 2017年6月17日 仙台ベルフィーユ公式ツイッターアカウント開設 (おそらく経営改善計画の一環と思われる)
  • 2017年6月20日 チーム保有団体のNPO法人「仙台ベルフィーユ」が存続を望み、スポンサーが40社に増えることなどを盛り込んだ、追加の経営改善計画の資料をV機構に提出
  • 2017年6月21日 V機構の臨時理事会で、仙台ベルフィーユを退会に相当する退社の勧告にすることを最終決定
    機構の要請に応じて各スポンサーの確約書なども追加提出、運営会社の負債もスポンサーが補う話でまとまっていたが、V機構は「不明瞭」と認めなかった
    NPO法人仙台ベルフィーユの荒谷敏理事長によると「議事録も公開しない、どうしたらリーグに残れるのか具体的な指導もない。それで、一方的に退社勧告」との事
  • 2017年6月22日 トゥエルヴがV機構から正式に退社勧告を受ける 23日 VリーグHPにも掲示された
  • 2017年6月23日 日刊スポーツで仙台ベルフィーユ廃部確実の記事
  • それを受け今度は姫路から仙台へ「選手の受け入れをさせていただきたい」と打診
    この理由について眞鍋GMは「我々も統合することで選手の補強ができ、チャレンジリーグIから出場できるメリットがあった」と後の会見で明言
  • 2017年7月8日 仙台の全選手とスタッフへ姫路がチームの説明や選手の受け入れ条件を提示
  • 2017年7月12日 V機構臨時理事会で譲渡条件を協議 同機構は「仙台の現役続行を希望している13選手を母数としたおおむね7割にあたる8選手の移籍」と設定し、両チームに“口頭”で伝えたとしている(申請の前に協議?)
  • 2017年7月22日 姫路が仙台の8選手と個別面談、この段階で移籍人数の最終確定までできてないにも関わらず「6~7人」という内容で譲渡を申請
  • 2017年7月24日 姫路と仙台が一般社団法人日本バレーボールリーグ機構規約第16条【チームの譲渡】について合意(姫路HPより)
  • 2017年7月29日 V機構臨時理事会にてチーム譲渡の件を審議、「チームの継続性が認められる」と承認決議
  • 2017年7月31日 神戸新聞で仙台からチーム譲渡・姫路CLI出場との記事
  • 2017年8月1日 V機構臨時理事会での承認内容の発表
    同日 2017/2018VチャレンジリーグIスケジュール発表 譲渡の合意からたった一週間、V機構臨時理事会からわずか三日しか経ってないのに何故か既に姫路のホームゲームも組み込まれていた
  • 2017年8月2日 V公式サイト「移籍公示リスト」にて仙台ベルフィーユ所属全選手の前所属チームを「ヴィクトリーナ姫路」と書き換えて発表
    同日 濱邊優愛選手はじめ数人の選手・関係者がTwitter、Facebookにて発表に異論を唱える
  • 2017年8月3日 仙台側は移籍公示リストが「事実と異なっている」としてV機構へ質問
    同日 Vリーグ公式サイトで記載変更について「あくまで管理上の手続きであり姫路に選手登録されている訳ではない」と釈明
  • V所属のチーム関係者から「譲渡の要件を満たしていないのでは」との指摘もあった
  • 2017年8月4日 V機構の嶋岡会長から「今回のチーム譲渡については、8人の選手が姫路へ移籍することが条件」と「初めて」(仙台側)伝えられた
  • 2017年8月8日 仙台は「チーム間では3人の姫路移籍が決定、他の選手については、他のV加盟チームへ移籍協議中であり、姫路への移籍は想定していない」とV機構へ伝えた
    仙台側は「既に何度も伝えていて、それでも譲渡は可能だと機構に説明されていた」という
    一方姫路側は「8人という明確な数字は聞いたこともなかった」という
  • 2017年8月9日 V機構臨時理事会で、譲渡の承認決議が取り消された
  • 2017年8月10日 V機構よりチーム譲渡無効の発表

悪意はあったのか

 

これらの記事内容をざっと見ますと、V機構、姫路、仙台それぞれに社会的・常識的に考えておかしなところがあり、また三者の言い分が食い違っていたりするわけですが、そこを私なりに少し考察してみたいと思います。

 

これは単なる私の想像に過ぎないのですが、この「三者の食い違い」は仙台の選手を三人(厳密には一人)しか確保できなかったので一度書類上で姫路籍にしてから他のチームへ移籍ないし退団した事にして譲渡を成立させ乗り切ろうとしたら、仙台側と世論の猛反発によって詭弁を押し通せなくなった事で苦しい言い訳をせざるを得なくなった為に生じたとしか思えません。

 

一般論としてですが、書面でやり取りすべき交渉ごとを口頭のみで行うという事は後ろめたい事実の証拠を残さない意図でそうする事が多いです。

 

仙台側にも選手の「姫路に利用されるのは嫌だ」という感情を尊重しつつも債権者の事を慮って譲渡の成立で負債を何とかしたかった(除名された以上もはやそれしか返済のあてが無い)という利己的な思惑があったのではないかという事は何となく想像できます。

 

あくまで「仙台は純粋で善良な被害者である」と行き過ぎた主張をする方の論理にはこの「債権者」という存在がすっぽり抜け落ちています。

 

はっきり言いますがこれを見て、V機構だけを悪者にして「姫路さんも被害者だ」などの偽善者ぶった事を言って振り上げた拳を収めようとするのは無理筋だと思います。三者それぞれに不穏当な思惑があったと考えるのが最も合理的な説明がつきます。

 

いずれかの「悪くない存在」を仮定するから「全く意味がわからない」という感想になるんです。

 

しかしながら結局の所、どうしてこんな「食い違い」が生じたのか、真実はこれらの記事では分かりません。その後8月24日に行われたV機構による会見を見ても疑惑は深まるばかりです。

 

Vリーグ「駆け足過ぎた」チーム譲渡無効問題で謝罪 - バレー : 日刊スポーツ

Vリーグ機構(日本バレーボールリーグ機構)が24日、女子2部にあたるチャレンジリーグの仙台ベルフィーユから、クラブチームのヴィクトリーナ姫路へのチーム譲渡が無… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。

 

あと記事で気になった点としては、産経の方で当事者からのコメントの流れにヴィクトリーナ姫路関係者ではなく姫路市の関係者(要は無関係の第三者)の「譲渡の拙速性が余計な誤解を生んだ部分もある。いわれのない噂の中でプレーする選手たちがかわいそうでならない」という言葉を混ぜているのはミスリードを誘っているのではないか?という点です。

 

これ、「姫路市の関係者」という書き方が紛らわしいのはもちろんですが、そもそも第三者のコメントを載せる必要があったのかと疑問符が付きます。当事者が「いわれのない噂」と言っているようなミスリードを誘う目的のように私には見えます。

 

ヴィクトリーナ姫路自身は(乗っ取り等の)疑惑に対する無実の主張はしていません。ゆえに真実は語っていないが(人数の表現などはともかく)嘘も言ってないとも言えるわけです。

 

第三者のコメントの必要性に関して言えば、同じように仙台側に近しい第三者にコメント取って、例えば「V機構と姫路に騙された。選手たちがかわいそうでならない」などと言われたとしたら果たして記事に載せたかどうか甚だ疑問です。

 

もっともこのあたりは事実の記述を「何処にどう配置するか」で読む人の印象を操作するテクニックかもしれませんが…。こういう部分から記者の意図を読み取れるものです。人間が書く以上、完全に公平な視点の記事なんてありえませんから。

 

しかしながら、これらの(日刊スポーツと産経の記者会見に関する)記事で初めて一般のファンに対して曖昧だった部分がハッキリしたり、明らかになった部分もあり、この事件関連の中でもきわめて重要度の高い記事だと思います。

 

とくに私が重要視したのが先程の時系列において赤文字で示した部分です。

 

一度白紙になった譲渡話を、仙台側が最も弱っているタイミングで持ちかけ、第三者目線でとても同一チームの継承には見えないのに、強引にCLI出場資格を掠め取ろうとしていた事が明らかになりました。

 

また、どんな記事にも書かれていない「全体移籍すれば本拠地は変わってしまうが翌年以降も大好きな同じメンバーでCLIに出場できる筈なのに殆どの選手がそれを選択しなかった理由」これをどう捉えるかです。

 

そのうえ、多くの選手たちが単なる管理上の手続きで前所属チームを姫路とされるだけの事にすら、あれほどの拒否反応を示した理由は何だったのか?

 

それ相応の理由があったと考えるのが自然ですし、自分自身の言葉では立場上詳細を語れない当事者の選手が陰謀めいた仮説を述べる一般人のツイートをリツイートしていた事…これが意味するところは??

 

選手も当事者でありながら何も知らなかったという論拠で片付けるのは簡単ですが果たして真実は…。

 

誰も得しない結末

 

この件に関する選手・関係者らのSNS上の発言で問題になりそうなものは既に投稿削除されているわけですが、無念の言葉は今でも一部残っています。

 


 

バレーボール界では運営会社の業績不振で(チーム側の都合で)休部・廃部になる事はめずらしくありませんが、チーム側がここまでチームを存続させようと足掻いた末にV機構からあっさり斬り捨てられるという事例は他に類を見なかったように思います。

 

仙台の提出した「スポンサーが40社に増えることなどを盛り込んだ追加の経営改善計画の資料」の内容がどんなものだったのか、本当に不明瞭でお粗末なものだったのかもしれませんし、そうでなかったのかもしれません。それは今となっては知る術も有りません。

 

この一件は結局、現場の選手たちや監督はもちろんの事、その裏で暗躍した者たちにとっても何一つ残らない結末となりました。まさにLOSE-LOSEです。

 

選手と全てのスタッフ・関係者、およびファンの心に深い傷だけが残りました。

 

私がヴィクトリーナ姫路を嫌う理由

 

何はともあれ結果的ににこの時のヴィクトリーナ姫路の目論見は泡と消え去ったわけですが、当のヴィクトリーナ姫路のHPには世間を騒がせた事に対する謝罪のリリースは一切無く「記者会見のご報告」があるのみです。

 

 

この中に「ヴィクトリーナを応援いただいている皆さま」に対する謝罪がたった一行あるのみですが、チケット先行購入の特典目当てにファンクラブ会員になった人がいたとしたら、そういった人に返金などの誠意は見せたのでしょうか。

 

また、この中には一連の経緯における不審点や疑惑の釈明も一切無く、私にはとても自分たちが悪かったと思っているようには見えません。

 

せめて釈明とまでいかなくても噂・疑惑に対して「事実無根」などと潔白の主張だけでもしてほしかったところです。


それをしないという事は「その件について言ってないだけで嘘は言ってない」という理屈に逃げていると受け取らざるを得ません。


「結果を真摯に受け止めております」「我々の力が及ばず、合意には至りませんでした」の言葉だけではお茶を濁しているようにしか見えません。

 

これがまさに表題の「私がヴィクトリーナ姫路を嫌う理由」に他なりません。

 

この件のケジメが不十分であった事実が残る限り、今後このチームがどれだけ強くなろうが、いい選手を獲得しようが、私はこのチームを決して応援する事は無いでしょうし、アンチで居続けるでしょう。

 

むしろ強いチームに対してでないとアンチ発言しにくいので私は「試合に負けろ」なんて野暮な事は言いません。それにこのチームだって選手は頑張っているでしょうから。

 

後日談 リガーレ仙台 発足

 

2018年8月、昨季まで仙台ベルフィーユの監督を務めた葛和伸元氏をシニアディレクターに据え、仙台ベルフィーユのゆかりの選手・スタッフを中心とした新チームの発足が発表されました。

 

女子バレー新チーム「リガーレ仙台」、佐藤あり紗選手が加入し、Vリーグを目指す | バレーボールマガジン

全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン。

これは2017年10月に突如開設された「新チーム設立準備室(@New_VolleyTeam)」というツイッターアカウントの活動がついに具体的に動き出したもののようです。

 

上記アカウントは作成直後に元仙台ベルフィーユの選手数名からRTされており、私も気にしていました。

 

以下は元仙台ベルフィーユ所属で今回リガーレ仙台に加入が発表された荻野雅子選手のツイートです。

 

 

こんな選手の思いなど微塵も考えず、自分のチームを不当にリーグ参戦させる事しか頭に無かった連中はこれを見てどう思うんでしょうか。

 

 

おまけ

 

以上で本文は終了となります。お読みいただきありがとうございました。

 

ここからは単なる私怨絡みの文章となりますので、とくに読む価値もございません。物好きな方のみ下のボタンを押してください(文章が開きます)。

 

追記

 

※追記) 2019年7月、昇格が決まり炎上当時のクソリプマンも居なくなった頃、再びしれっと元の公式アカウントに戻したようです。炎上~V2時代、リプを無視しても不自然さが少ないヴィックとしてアカウント運営してきたのはやはりクソリプ対策だったのでしょう。

ちなみに移行したマスコットキャラ「ヴィック」のアカウントは一ヶ月ほど更新した後、無残に放置されてます。

 

とりあえずV2リーグ時代、相手チームの事を「~ヴィッ」というナメた口調で見下すようなツイートしてた非礼を謝罪していただきたいです。V1に昇格したらやめたという事は失礼な行為だと自覚してるって事ですよね?

 

公式サイトでもいくつかの記事を削除したりしてますね。やらかした過去を消しにかかってます。もともと日付の捏造くらい当たり前のように行われていたサイトでしたので隠蔽体質が骨の髄まで染み付いてますね。ページ削除を受けて当ブログ内のリンクも可能なものは一部Internet Archiveのものに差し替えました。